小中学生のための「話す」って楽しい!!たいわ室

コーチブログ

2024.04.08

「こっちの道から行ってみぃ」

「こっちの道から行ってみぃ」

お彼岸の墓参りに父を助手席に乗せて走ってる時、突然父が言った

高齢者であることをやっと認めて、
昨年3月に免許証を返納して大人しく助手席に座る

それまでは、毎年田舎に行って収穫を楽しんでた父。
山菜取り、筍掘り、ヤマメ釣り、西条柿をとって干柿作り、
キロ単位で銀杏拾いなど…

父とお彼岸の墓参りに行くのは2回目。
片道1時間半の田舎まで、いつもは中央線のある道路を通るんだけど、
父に言われたところで曲がるとホントに山道…

車が離合できないようなところもたくさんあって、
どこに行きたいのかと思ってたら、
父が懐かしそうに周りを見ながら話し出した

「ここがオオムシゆうところで、この下の川でよう釣りよったんよ」

「この温泉には〇〇さんとお母さんとよう来たんよ」

耳が遠いこともあって、同居してる家では会話が弾まない。
私がバタバタしてて聞いてないし、私の声が聞こえないと言って怒るから

「聞いてるよ」
って、手で合図しながら
(手話ではありません)

ただ聴く

山道から道路に出るまでの30〜40分。
ワクワクしたいい顔して楽しそうに思い出話をしてくれた

昔の思い出や好きなこととか父も話すんだ

普段、ゆっくり話すことも聴くこともなかったから、すごく新鮮だった

もしかしたら、父は話したいのかもしれない

聴いてもらえる場があれば、たくさん話すのかもしれない
それは、子どもだけじゃなくて、私たちおとなも

思いがけず「父とのたいわ室」で、
お彼岸だけじゃなくて、
時々父と思い出の場所をドライブして
話を聴くのもいいなと思った出来事でした

たいわ室コーチ
岡谷 幸恵